圧縮コイルばねの計算
ばね定数と荷重、Wahl補正込みのねじり応力。ばね指数と密着長さも判定。
線径・コイル平均径・有効巻数からばね定数を求め、指定したたわみでの荷重とねじり応力を計算します。応力にはWahl の応力修正係数を含んでいます。
ばね指数 c が適正範囲(4〜15)に入っているか、圧縮後の長さが密着長さを下回っていないかも同時に判定します。設計が成立しない組み合わせは、その場で警告が出ます。
| ばね指数 c = D/d | – |
|---|---|
| Wahl 応力修正係数 κ | – |
| 横弾性係数 G | –GPa |
| 許容ねじり応力 τa(目安) | –MPa |
| 応力使用率 | –% |
| 密着長さ(Nt = Na+2) | –mm |
| 使用した式 | k = G·d⁴/(8·D³·Na) τ = κ·8·D·P/(π·d³) |
ばね指数 c は何を表していますか
c = D/d、つまりコイル平均径を線径で割った値です。ばねの「細長さ」を表す無次元数で、この値だけで製造性と応力の両方が決まります。
c が小さい(太い線を小さく巻く)と、コイリング時に線材が塑性変形しにくく加工が難しくなります。さらにコイル内側の曲率がきつくなるため、内側の応力が外側より大きくなり、応力集中が無視できなくなります。逆に c が大きすぎると細長くなり、圧縮時に座屈したり、隣同士がからみつく恐れが出ます。
実務では 4〜15、狙うなら 6〜10 に収めます。本ツールはこの範囲を外れると警告を出します。設計の自由度が高い段階なら、荷重や自由長より先に c を決めてしまうと後が楽になります。
Wahl の応力修正係数とは
コイルばねの線材には、荷重によるねじりに加えて、コイル形状に由来する2つの効果が乗ります。ひとつは直接せん断、もうひとつはコイル内側の曲率による応力集中です。単純なねじり式 τ = 8DP/(πd³) はこの2つを含んでいないため、実際より小さい値を出します。
Wahl の係数 κ = (4c−1)/(4c−4) + 0.615/c は、この2つをまとめて補正します。c = 6 なら κ ≈ 1.25、つまり補正なしでは応力を2割以上低く見積もることになります。c が小さいほど補正は大きくなります。
本ツールは常に κ を含んだ値を表示しています。他の計算結果と突き合わせるときは、相手が補正込みかどうかを確認してください。
密着長さと自由長の関係
密着長さは、コイルが完全に詰まって線材同士が接触した状態の長さです。総巻数を Nt として Lc ≈ Nt × d、座巻を両端1巻ずつとすると Nt = Na + 2 で見積もれます。
使用時の最大圧縮量が密着長さに達すると、ばねとして機能しません。荷重が急激に立ち上がり、線材とばね受けの両方を傷めます。設計では密着まで15〜20%の余裕を残すのが一般的です。本ツールは圧縮後の長さが密着長さを下回ると警告します。
なお、ここで扱っているのは静的な荷重です。繰返し使用する場合は、へたり(永久変形)と疲労強度を別途確認してください。許容ねじり応力は静荷重を前提とした目安値です。
※ 本ツールは一次検討を目的とした簡易計算です。応力集中、座屈、疲労、溶接部、動的荷重、温度影響は考慮していません。材料の降伏点・耐力・許容応力は代表的な目安値であり、規格値そのものを保証するものではありません。実機の設計・製作にあたっては必ず個別の検証を行ってください。本ツールの結果に起因する損害について当社は責任を負いかねます。
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